日本地理学会発表要旨集
2017年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 414
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発表要旨
北アルプスの氷河・越年性雪渓の年間質量収支と環境条件
山本 遼平*奈良間 千之福井 幸太郎
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抄録
北アルプスには,冬季の季節風によりもたらせる大量の降雪によって形成される多くの越年性雪渓が存在する(樋口ほか,1971;朝日,2013).福井・飯田(2012)は,立山連峰の東斜面に分布する3つの越年性雪渓に厚さ30m以上の氷体を確認し,高精度GPSによりこれら氷体が流動していることを示した.この調査から立山連峰に存在する3つの越年性雪渓は国内初の氷河と認定され,極東アジアの氷河の最南端が日本の立山連峰となった.しかしながら,氷河の年間質量収支や氷河が形成・維持される環境条件は明らかでなく,北アルプスの立山連峰のみに氷河が局所的に存在する要因も不明である.そこで本研究では,空撮したデジタル画像とSfM(Structure from Motion)を用いて,現存する3つの氷河と3つの越年性雪渓の年間質量収支を求めた.また,衛星画像と国土地理院提供10mDEMから作成した地形データを用いて決定木法による統計解析で,氷河と越年性雪渓が発達する北アルプスの地形の環境条件について調べた.
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© 2017 公益社団法人 日本地理学会
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