日本地理学会発表要旨集
2018年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 729
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発表要旨
高校地理におけるウオークラリー巡検の実践
*今井 英文神田 竜也
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抄録

巡検学習は、地理教育における最も重要な学習方法の1つである。その理由は、①スマートフォンに慣れた生徒に、現実の自然や社会を直接観察させ、関心を持たせ、理解させることができること、②地域の事象を総合的・関連的にとらえさせる機会になること、③地図や資料を活用する能力を育成できることなどである。しかし、時間的制約などが主な要因となって、高校ではあまり実施されていない。全国地理教育学会では、巡検学習活性化のための検討を重ね、「ワンポイント巡検」という考え方に到達した。その定義は、「1単位時間程度で、学校周辺を、少数の事象に絞って行う地理教育巡検」である。ワンポイント巡検は、先に述べた要因を解決し、誰もが短時間で実施できる点が画期的である。しかし、ワンポイント巡検は教師主導で行われることが多いため、報告者らの経験では、教師の説明を受動的に書き取るだけの生徒や、校外に出た開放感から私語を止めない生徒が存在する。また、多忙を極める教師にとって、1単位時間といえども、巡検のための詳細な下準備は、大きな負担となる。
 本発表では、これらを解決する方法として、ウオークラリー巡検を提唱し、岡山後楽館高校におけるウオークラリー巡検の実践と成果について報告するものである。

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