日本地理学会発表要旨集
2022年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P025
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北海道・常呂川の水質に与える人為的影響(2)
*蓑島 誠小寺 浩二
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キーワード: 常呂川, 水質現況, 人間活動, EC
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抄録

常呂川は北海道東部、オホーツク総合振興局管内に位置し、大雪山系に源を発しオホーツク海へと注ぐ、流路延長120km、流域面積1930km2の一級河川である。流域は農林水産業を基幹産業とし、人口は1985年をピークに現在は約12万人と減少の一途をたどり過疎化が進む地域である。一方、北海道内の一級河川中水環境は悪く、特に人口が集中する北見市街地下流の水質観測所で水系のBOD平均値を押し上げている。 これまでの常呂川の研究では本流の水質調査が中心であったため、本研究においては、2020年9月から2021年8月までの1年間、本流8地点、支流14地点の合計22地点を調査対象として、気温、水温、EC、BOD、pH、RpHを現地で調査し、そのほかTOC、主要溶存成分の分析、アルカリ度の計測を大学実験室で行った。 その結果、ECとTOCの相関性が高く、特に北見市周辺の観測地点で両数値が高かったことから、北見市街地の下水道処理水や生活排水などの人為的な要因が、常呂川の水環境に大きな影響を与えていることが分かった。

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