平成30年7月豪雨で西日本に多く生じた斜面崩壊に対し,降雨特性,地質・地盤,土石流,土地利用等に関する調査が行われ,それぞれ被害特徴が報告された.斜面崩壊の発生は,地形・地質条件のほかに地下水条件や植生などの環境条件も関与する.しかし各報告では,そこに至る地形形成までの考察はまだない.斜面崩壊に至る微地形形成に関し,既報では現地での測量と直接計測に基づき,樹木の根曲りまたは土層蓄積等を数量化し微地形分布と重ね合わせて議論された.しかし空中写真では,裸地の微地形区分は可能だが,樹林地では樹冠に遮られその区分は難しく,また樹林がなければ逆に地形形成過程の議論は難しい.本研究ではUAVによるレーザー計測データに基づく微地形区分と,微地形と斜面崩壊や樹木形状との関連について検討した結果を報告する.