経済地理学においては、長らくイノベーションの地理的特徴の把握が高い関心を集めてきた。本研究は、日本におけるイノベーションの空間分布を、特許情報を用いて特徴づけることを目的としている。具体的な方法としては、技術集中度と共立地を測定するために、空間ジニ係数と主成分分析(PCA)を使用し、空間的自己相関を測定するために局所空間統計量(LISA)を用いた。分析結果から、各技術分野の高い集中度と空間的自己相関が示されるとともに、イノベーションの集中度の高い都市地域が、それぞれの産業活動に対応していることが確認された。