日本地理学会発表要旨集
2024年日本地理学会春季学術大会
セッションID: 612
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20世紀中頃における島根県旧仁多町三沢地区の鉄穴流し
*德安 浩明
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抄録

たたら製鉄は20世紀初頭に一度廃絶したものの、砂鉄採取業である鉄穴流しは1972年まで奥出雲地方において行われていた。本発表では、奥出雲町三沢地区における砂鉄採取業の実態について報告する。20世紀後半の三沢地区では楮谷と雑家において鉄穴流しが行われていた。鉄穴流しは、鉱業権をもつ鳥上工場が経営し、その労働を近隣農民からなる2つのグループが請け負っていた。その一方で、稼業時の写真を提示しつつ、砂鉄採取業の工程や施設を明らかにした。そして、選鉱場の所在地と、砂鉄採取によって大規模な地形改変が引き起こされた実態を地図に示した。

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