日本地理学会発表要旨集
2024年日本地理学会春季学術大会
セッションID: P071
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東京都心周辺地域・高円寺の場所特性の形成
*山本 沙野香
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抄録

 都心機能の侵入がみられる都心周辺地域では、イメージの向上、建築物の更新、商業機能の充実、住民属性の上昇の相互連関によって変化し、ジェントリフィケーションに至るとされる.都心周辺の変化を把握する上で、イメージ、建築物、商業機能、住民属性の4つの側面に注目することは有効であると考えられるが、これらの価値上昇が一方的に生じているわけではない.高円寺、下北沢など東京の都心周辺においては、魅力的とされる街が存在する.そこでは、新旧の建築物が混在し、多様な住民属性が居住し、様々な商業活動が行われており、現代の都市計画において希求されているソーシャルミクス(社会的混合)やミクス・ドユース(複合利用)が実現しているとも考えられる. 本報告では、都心周辺地域として高円寺を対象に、その場所特性を把握するにあたり,4つの側面が,いつどのように相互に関連しながら,高円寺の場所特性が形成されたのかを明らかにする.その際,高円寺の持つ多様性,特に新旧の建物と多種多様な商業の混在を示すミックスド・ユースや,若年層と高齢者などの様々な居住者の混在を示すソーシャルミックス,それらが創出させる高円寺の多様なイメージに注目する.

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