日本では長年、東京一極集中が社会問題となっており、政府はその問題を解消すべく、「関係人口創出」に近年、力を入れている。特に関係人口の一つとされている「地域おこし協力隊制度」は、隊員数増加に向けた取り組みを行っている一方で、隊員と自治体、地元住民との間でのトラブルが問題視されている。そこで本研究では、地域おこし協力隊を経験し、かつ地域産業に携わる方が、どのような困難に遭い、それを乗り越え、現在に至っているのかを読み解き、地域おこし協力隊活動の実態を明確にすることを目的とし、元地域おこし協力隊員3名を対象にインタビュー調査を行った。その結果、三者とも地域の活性化を念頭に活動しておらず、自身のやりたいことを実現するために活動し、それが結果として地域に好影響を与えていることが分かった。