共同蔵書構築の目標と方法を設定する上で,既存の蔵書と収集の評価は基本的要件である。本研究の目的は,共同蔵書構築を目的とした蔵書評価の構成方法とその有効性を検証することである。はじめに,事例の分析によって,関連図書館群の蔵書全体を一括評価する方法と図書館蔵書を個別に評価する方法を区分した。前者を用いて,2種類の資料群について大学と国会図書館等の収集状況の評価実験を行った。その結果,蔵書構築目標を設定するために必要な分野別の所蔵率,未所蔵資料数,未所蔵資料のサンプルリストなどの基本的情報が入手でき,この方法が有効であることが確認された。