2004 年 1 巻 1 号 p. 67-69
「家で死にたい」と願う人は、少なくない。しかし、実際にはその願いが叶えられないという現実も多くみられている。その理由として、最期まで安心できる支援体制が整っていない事や、家族の受け入れが出来ていない事などがあげられる。確実に死へ向かっていく療養者を見守ることは、本当に辛いことである。残された家族にとって、看取りの満足が得られることで、なくなった療養者との関係や、自己の介護行動を肯定的に受けとめることにつながっていくと言われている。今回、我々勝山訪問看護ステーションが、在宅で死を迎える療養者の訪問看護を初めて経験することになった。この療養者と介護者との関わりを通じて、在宅における終末期看護を考えることが出来たので、報告する。