昭和病院雑誌
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簡易懸濁法
当院での試み
福中 大樹有吉 ちさと有吉 大悟有吉 和子
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2006 年 3 巻 1 号 p. 29-31

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抄録
経管栄養の適応患者は消化器疾患や各種疾患急性期医療、嚥下障害などであり、薬剤も経管チュ-ブより投与される。従来より散剤や錠剤の粉砕したものを水や湯に溶いてチュ-ブから入れる方法がとられてきたが、?@チュ-ブが閉塞する。?A粉砕時や脱カプセル時に医療者や家族が吸い込む、手に付着するなどで薬剤に暴露される。?B粉砕、脱カプセル時や水に溶くとき量が減る。?C手間がかかるなどの問題がある。そこで、これらの問題を解決する方法として、倉田なおみらが提唱する簡易懸濁法がある。簡易懸濁法は「粉砕」指示の処方であっても錠剤をつぶしたり、カプセルを開封したりせずに投与時に錠剤、カプセルをそのまま約55℃の温湯に入れて崩壊、懸濁させる方法である。当院においても経管チュ-ブから薬剤を投与される患者が全体の15%と多いため、薬剤課においても倉田提唱簡易懸濁法について検討した。この方法は、粉砕法の問題を解決し有用であった。
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© 2006 医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
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