昭和病院雑誌
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環境をとりまく電磁波
アンケートと測定結果からの一考察
和田 宏幸田宮 千春
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キーワード: 電磁波, メラトニン, 脳腫瘍
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2006 年 3 巻 1 号 p. 32-36

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抄録
今日の私達の生活環境は、電子レンジ、携帯電話、パソコン、テレビ等を使用することによって、便利で快適な生活を送ることができている。知らず知らずの間に、そこから発生する電磁波に囲まれた生活を送っているわけであるが、近年になって多数の研究結果より、メラトニンの産生抑制や脳腫瘍などの人体への影響が懸念されつつあり、WHOや日本の厚生労働省からも電波防護指針が出されるに至っている。このような状況にあって、電磁波に関する意識がどのくらいのものかをアンケート調査から知ると共に、実際にどの程度の電磁波に曝露されているのか調べてみた。その結果アンケートでは多くの人が電磁波は人体に影響があると考えていたが、対策を行っている人はごく少数であった。また測定を行った身の回りの電化製品はWHOなどの基準値を下回ることがわかった。しかし、使用されだした当初は人体に無害とされた超音波が、近年になって胎児への影響が懸念され、以前重宝されたアスベストにおいては、昭和51年頃より人体への影響が危惧されていたにもかかわらず、今になって世間を騒がしている。特に電磁波の場合は、目に見えず身体的にも刺激として感じないため、電磁波を受けているという認識が薄いのではないかと思われる。このことより、まずはもっと電磁波に対して関心を持つ必要があると考えた。
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© 2006 医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
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