昭和病院雑誌
Online ISSN : 1880-151X
Print ISSN : 1880-1528
ISSN-L : 1880-151X
療養型病院における原価計算の導入例
日野 篤森永 康則吉水 卓見井上 友一
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 3 巻 2 号 p. 141-147

詳細
抄録

医療法人茜会昭和病院は、介護療養型病棟240床、一般病棟68床、特殊疾患療養病棟38床、回復期リハビリテーション病棟56床の402床からなり、病床構成では全体の80%近くが療養型である。診療報酬体系の見直しにより、包括性への移行が推進されたことで、いくら経費を使おうと収入は決められていることから経費の把握と管理の必要性がでてきたため、当院では原価計算を用いて各病棟の損益を把握することとした。病院の各部署(病棟単位に部門を設定)を主部門、補助部門、費用部門の3種類の部門に分類し、主部門以外の収益・経費は、配賦基準値を算出し、その基準値に基づいて配賦を行うこととした。病棟以外の収益・経費を主部門に配賦することで、各病棟の採算性が把握できるようになった。また、原価計算を行うことで病院内での経費が細部まで把握できるようになったため、病院内の種々の不要経費を明らかにすることが可能となった。

著者関連情報
© 2007 医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
前の記事 次の記事
feedback
Top