抄録
インドネシアの茶産業がそのマーケティングにおいて長年直面してきた問題は、低迷する価格と硬直化した需要である。本論文では、インドネシアにおける茶栽培者(とくに小規模農家)の対応としての、茶の価格形成を明らかにすることを課題とした。その結果以下のことを明らかにした。小規模農家の原茶価格は低く、その生産者価格は再生産に不適当である。また、現在超過供給が生じており、茶のオークション機構が販売経路の中で十分に役割を果たしていない。調査農家のうち、原茶販売ではなく、乾燥加工茶販売の農家では、高い収入と利潤を得ていることがわかった。今後、加工と販売を行う農業協同組合等の設立による農家所得の向上を検討すべきである。