2019 年 27 巻 4 号 p. 46-52
近年、AIの発展に伴い多くの産業分野で機械学習が適用されつつある。農業分野ではこれまで、主に生産分野に導入されているが、農産物流通分野への適用はほとんどない。そこで本研究は、機械学習を野菜流通分野に導入すると共に卸売市場の情報受発信機能の精確率への影響を探索することを目的とし、日本の最大野菜消費地である東京地域の卸売市場における野菜出荷量の予測に機械学習スキームを適用し、予測の方法と精確度を分析した。その結果、現状の予測の精確率を向上させる可能性を見いだすことができ、機械学習技術は卸売市場の情報受発信機能を改善に役立つ手法であることが示唆された。