抄録
北太平洋における人間活動起源のCO2の海洋による取り込みが3次元海洋大循環モデル
(GCM)を用いてシミュレートされる。海洋による取り込みを求めるために1800年から1986年
までの大気のpCO2が条件として与えられる。モデル海洋へのCO2のフラツクスは0.7 GtC・yr^-1
であり,モデルで計算した期間における取り込み量は37GtCであった。これらの結果はこれま
でのモデルや観測の研究結果と矛盾しない。モデル海盆全体に蓄積されたCO2の量はモデルの条
件に依存しないが,亜寒帯域,特にベーリング海におけるCO2の分布はモデルの水温,塩分を縁
辺海において観測値に復元させる条件によって影響を受ける。GCMによって得られた2つの海
洋循環を用いてシミュレートされたCO2の分布の違いの詳細が議論される。