抄録
本研究の目的は、心臓血管外科術後にせん妄を発症した患者とその家族が抱く思いおよび経験について明らかにすることである。70代の患者13名とその家族15名を対象に半構成的面接法を実施した。分析の結果、患者の思いとして、49コードから5サブカテゴリ、2カテゴリ、家族の思いとして、141コードから11サブカテゴリ、4カテゴリが生成された。せん妄を発症した患者の思いは、【術後せん妄時の記憶の曖昧さ】【術後せん妄による混乱状態】であった。家族は、【家族の患者に対する戸惑いや困難感】や【術後せん妄による二次的障害】、【医療者に対する不満】などの不安など負の感情を抱いていた。しかし、【医療者に対する適切な対応への安心感と満足感】という正の感情も抱いていた。術後せん妄を発症した患者には、適切なせん妄症状の判断と日常生活動作を中心とした患者やその家族が安心する看護ケアを提供することの必要性が明らかになった。また、術後せん妄を発症した患者の家族にもチームで関わることが重要であることが示唆された。