1963 年 15 巻 6 号 p. 378-380
衆知のように, 小児の感染症のうちブドウ球菌によるものは大きな比重を占め, とくに耐性ブドウ球菌の問題は重大な様相を帯びるに至つているが, ペニシリンGの欠点を改善した各種の合成ペニシリンの出現はこの点で, 我々に新らしい方向を示すものであろう。
このような点から見ると, いわゆる病原株が, 各種ペニシリンにたいしてどんな感受性を示すかを知ることは, 臨床上, 意味が少なくない。この報告は, われわれが直接診療した小児のブドウ球菌感染症の原因菌についての検索結果である。なお, 菌の性質を知る上に参考となるので, ファージによる型別をもあわせおこなつた。