The Journal of Antibiotics, Series B
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小児科領域における Cephaloridine に関する研究
中沢 進岡 秀佐藤 肇山岸 正己大久保 暢夫小林 富士男新井 蔵吉今井 重信
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1965 年 18 巻 6 号 p. 463-475

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抄録

Cephalosporinは, 1945年サルジニア海岸の下水中かちBROTZU教授によつて分離されたCephalosporium acremoniumの産生する抗生剤であり, その特徴とするところはグラム陰性, 陽性の球菌, 桿菌類に対して殺菌的な強い抗菌性をもつ点であり, また他種抗生剤耐性獲得細菌類に対しても感性である点が明らかにされるようになり, 臨床的応用の開拓が各方面から進められてきた。その後の研究によつてCephalosporin Cが分離され, 化学構造が決定され, 合成も可能になつてきた。
現在, 臨床的に使用されている合成Cephalosporin C製剤としては, Cephalothin (Eli Lilly社, CET) とCephaloridine (Glaxo社, CER) の2種類があり, CETに関しては既に1962年10月, 続いて1963 年10月の第2, 3回, Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapyで多数の発表がみられたが, CERに関する臨床的な報告は現在のところほとんどみられない。
CERの投与は, 現在のところ注射 (筋注, 静注, 局処) のみによつているが, 私等は今回CERに関する一連の基礎的, 臨床的検討をおこない, 見るべき成果が得られたので, その一部の成績について報告したいと思う。

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