The Journal of Antibiotics, Series B
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抗微生物剤の生体内動態に関する研究
α-Methylthio-o-chloro-trans-cinnamyl penicillin (P-18) について, Methylchlorophenyl oxazolyl penicillinとの比較
深谷 一太友利 玄一
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1965 年 18 巻 6 号 p. 517-521

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抄録

α-Methylthio-o-chloro-trans-cinnamyl penicillin (P-18) は, 合成Penicillinとして6-Aminopenicillanic acid から我が国で始めてつくられた物質であり, Na塩とDibenzylethylenediamine (DBED) 塩が開発された。その化学名, 構造式, 分子式は下記のとおりである。Na塩は水によく溶解し, pH5~6で安定で, 酸性胃液中でも力価の低下少く, またペニシリナーゼに対して耐性であり, 毒性低く, アメリカから登場したMethylphenylisoxazolyl penicillin (MPI-PC), Methylchlorophenylisoxazolyl penicillin (MCI-PC) などと比肩すべきものと思われる。DBED塩は, 水に難溶, アセトンに易溶性で, 経口投与のほか, 懸濁水性として筋注も可能とされている。
この両者について基礎的な2, 3の検討をおこなう機会をえたので, MCI-PCと比較しつつおこなつた成績を報告する。

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