The Journal of Antibiotics, Series B
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CephalothinおよびCephaloridineの眼内移行
水川 孝東 郁郎川口 茂登
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1965 年 18 巻 6 号 p. 525-526

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抄録

新抗生物質の使用にさいしては, 抗菌性の問題とならんで, 血中濃度と局所分布濃度の検討が必要である科領。眼域では, 局所使用という特殊な使用法との関連性から, 眼内濃度の検討が特に要求される。今回Cephalothin ( CET), Cephaloridine (CER) の臨床使用にさいして, まず, 基礎的に眼内移行実験をおこなつた。
従来, 教室での成績などから, 眼内移行量は, 単に血中濃度水準にのみ依存するのでなく, むしろ血液房水柵で代表される関門の条件が非常に関係することが示されてきた。全身 (筋注, 静注) 投与では達し得ないような大量の移行が, 局所 (結膜下注, 球後注) 投与で可能なことも明らかである。眼の炎症の有無も移行量を数倍に増強する事実も考慮されなければならない。これらの原則的な移行条件に新らしい抗生物質 (CET, CER) も例外であるとは考え難いが, 臨床使用の裏付けとして動物実験を試みた次第である。

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