The Journal of Antibiotics, Series B
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テトラサイクリン (アクロマイシン) の臓器内分布並びに胆汁内排泄について
特にクロルテトラサイクリン (オーレオマイシン), オキシテトラサイクリン(テラマイシン) との比較
大久保 滉藤本 安男星崎 東明
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1954 年 7 巻 8 号 p. 287-289

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抄録

余等1) はかねてから, 諸種抗生物質の体内分布, 殊に臓器内濃度と胆汁内排泄とについて系統的な研究をおこない, 抗生物質の種類と臓器の別とにより, その滲透速度または滞留状況を異にし, また胆汁内排泄態度も抗生物質によつてそれぞれ特徴があることを知り, 抗生物質療法に際して, 単に抗菌スペクトルと血中濃度とを基準として抗生物質を選択し, その投与法を決定することは決して完全な方法とは云い難く, 更に体内動態をも考慮する必要があることを示唆して来た。最近, ラトテサイクリン (以下TCと略) が臨床的応用の段階に入つたが, 本剤は従来広範囲抗菌スペクトルを有する抗生物質として繁用されて来たクロルテトラサイクリン (オーレオマイシン, 以下AMと略) 及びオキシテトラサイクリン (テラマイシン, 以下TMと略) の母体というべき化学構造を有し, 抗菌スペクトルもAM, TMと酷似しているが, 後の両者に較べ水に易溶性で, 副作用が少く, 甚だ優れた抗生物質として嘱目されている。余等は本剤についてもその体内動態を観察し, 特にAM, TMと比較しようとして以下の実験をおこなつた。使用したTCはLederle社製のカプセル入のものである。

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