The Japanese Journal of Antibiotics
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溶血連鎖球菌の群別, 型別と化学療法剤感受性
小栗 豊子設楽 政次小酒井 望
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1973 年 26 巻 3 号 p. 215-220

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抄録

かつて溶血連鎖球菌 (以下, 溶連菌と略) は, 黄色ブドウ球菌とならび, 化膿性疾患の原因菌として重要視されていたが, 化学療法剤の出現以来, 本菌種による化膿性疾患は激減したといわれている。溶連菌はPenicillin (PC) 剤をはじめ, 種々の化学療法剤に感性であるが, 本菌種による感染症の化学療法は必らずしも容易ではなく, 再燃または再感染例がみとめられており1),病巣から完全に菌を消失させるのは困難のようである。その上, 溶連菌感染症の病像は, その主なものを挙げても扁桃炎, 狸紅熱, リウマチ熱, 急性腎炎等, 複雑かつ多様であり, 特に学校や家族内での流行による集団発生は, 疫学の分野に大きな問題を提起している。
私どもは, 最近約1年間に当検査室において, 各種臨床材料から分離した溶連菌を群別し, このうちA群溶連菌については, 型別をおこない, それぞれの検出頻度を検討した。また, 最近の学童の集団検診からの分離株も含めてA群, B群, C群, G群溶連菌の常用抗生物質に対する感受性を測定し, 4群間の感受性の相異を検討した。

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