The Japanese Journal of Antibiotics
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Amikacin(BB-K8)の毒性に関する研究 第3報
犬における亜急性毒性
松崎 明紀阿久津 貞夫吉田 昭雄小野寺 邦介関野 実土田 稔浅野 昌子
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1975 年 28 巻 4 号 p. 458-484

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抄録

Amikacin sulfate (BB-K8) およびKanamycin sulfate (KM) の400mg/kg, 200mg/kg, 100mg/kgおよび25mg/kgの各薬量について, Beagle犬90頭(雄45, 雌45)を用い, 1日1回30日間にわたる筋肉内注射をおこない, その亜急性毒性について比較実験をおこなつた.
(1) BB-K8およびKMの25mg/kgおよび100mg/kg群では, Control群と比較し, 異常所見はほとんどみられず, 毒性はみとめられなかつた.
(2) 200mg/kg群では, 腎障害がみられたが, 非常に軽度で, BB-K8 10例中+2例(♂1,♀1), ±3例 (♂2,♀1) であつた.BB-K8とKMとの間に差はみられなかつた.雌のほうが雄より多少軽い傾向がみられ, またBB-K8, KMともに, 30日後には快復していくきざしがみとめられた.
(3) 400mg/kg群では, 腎障害はかなり著明にみとめられ, その程度は, BB-K8 10例中廾4例 (♂2,♀2),+3例 (♂2,♀1),±3例 (♂1,♀2) であつた.KMもほぼ同程度であつた.
(4) 200mg/kg, 400mg/kgのいずれの群も, 主な病変は腎にみられ, 肝・肺・脾・その他の臓器組織では著変はみられなかつた. 腎の変化は, 主として近位尿細管の障害で, 糸球体に異常はみられなかつた.

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