The Japanese Journal of Antibiotics
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Yersinia enterocolitica およびYersinia pseudotuberculosis の接合による耐性の伝達について
第2報とくに自然界分離のSM耐性菌に関して
金沢 裕倉又 利夫
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1975 年 28 巻 4 号 p. 538-541

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抄録

接合によつて耐性を伝達するR-因子は, 腸内細菌科の種々の菌に及んでいることが明らかにされつつある。Yersiniaについては, GINOZA1) はYersinia (Pasteurella) pseudotuberculosisまたはYarsinia (Pasteurella) pestisが,Escherichia coliからR-因子によつて耐性の伝達をうけることを報告した。ついで金沢ら2, 3, 4), 水野ら5)もY. enterocolitica力二腸内細菌由来のR-因子の宿主菌となりうることを報告した。
一方, CORNELIS6) は, Y. enterocoliticaから (Su, Sm, Cm, Km) と (Su, Sm, Cm, Tc) R-因子を検出した。金沢ら7) も, ヒト終末回腸炎から分離されたY.pseudotuberculosisのSM単独耐性が感性E.coliへ伝達されることをしり,Y.pseudotuberculosisにおけるSM耐性R-因子の存在を明らかにした。
その後, 金沢ら8) はさらに,動物分離のY. renterocolitica, Y. pseudotuberculosisをも加えて, 接合による耐性の伝達についても検討, 報告したが, 今回はとくに, その耐性が1次伝達, 2次伝逮ともに証明されたSM単独耐性について報告する。
なお最近, 木村ら9) も同様,Y.enterocolitica, Y. pseudotuberculosisのSM単独耐性R-因子について報告している。

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