The Japanese Journal of Antibiotics
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Doxycycline の静脈内投与による耳鼻咽喉科感染症の臨床的検討
三辺 武右衛門村上 温子小林 恵子徐 慶一郎稲福 栄
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1975 年 28 巻 4 号 p. 623-627

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抄録

Doxycycline (以下DOTCと略す) は, 1963年Pfizer研究所においてメタサイクリンから合成された広範囲抗生物質である。 酸性では, テトラサイクリンよりはるかに安定であり, アルカリ液では同程度の安定性をもっている。 本剤Renal clearanceは, 他のTCより低く, 尿細管での再吸収が大であるとされている。 経口投与で比較的少量で血中濃度が高いのは経口投与時98%が吸収され, かつ排泄が遅いためと考えられている。 臨床的には1日1~2回の投与で有効であり, 組織内濃度も高く, 多くの利点をもつ抗生物質である。
我々は, 今回はDOTCを静脈内注射によつて耳鼻咽喉科感染症の治療に応用し, さらに抗菌力, 血中濃度, 組織内濃度, 副作用などについても検討したので報告する。

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