The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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ガーリックの抗菌活性の特徴について
内田 幸正高橋 徳治佐藤 哲康
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1975 年 28 巻 4 号 p. 638-642

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抄録

日本産を含めて天然のガーリックは, 強い抗菌作用を示し, そのActive principle はその含有アミノ酸アリインによるものであり, ガーリックから直接アリインを分取することにょつて日本産ガーリックにもアリインが相当量含まれることを証明しようとした。その結果, アリインはガーリック蛋白質中に約5~8%含まれ, ガーリック中の蛋白質は産地, 品種, 栽培法によつて異なるが, 約15~20%前後含まれ, かつ存在形態を追跡したところ, アリインはほとんど100%遊離型であることがみとめられた。なお, 産地別ガーリックについて, アリインの分布幅をみるとともに, その粗酵素を用いてのカップ法による力価を比較した。
このようにしてアミノ酸分取分析装置を用いてアリインを分取し, それを再結晶した精製アリインについて充足量の等電点沈澱により精製した粗酵素とともにその抗菌スペクトラムをしらべ, 結核菌, グラム陽性菌, 陰性菌, 徽類に効果をもつことを明らかにした。

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