The Japanese Journal of Antibiotics
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Haemophiluss属の抗生物質感受性とその推移
小酒井 望小栗 豊子
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1976 年 29 巻 2 号 p. 159-166

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抄録

Haemophilus属, とくにインフルエンザ菌 (H. influenzae) は, 髄膜炎, 中耳炎等の原因菌として重要で, また慢性気管炎, そのほか, 慢性呼吸器疾患から高率に検出され, これら呼吸器疾患の症状の悪化に密接な関係のあることは周知の事実である。インフルエンザ菌は一般のグラム陰性桿菌に有効な抗生物質に感性で, とくにAmpicillin (AB-PC) が強い抗菌力をもつところから, 本剤がインフルエンザ菌感染症に愛用されている。しかし最近, 英国1), 米国2) 等で本剤耐性のインフルエンザ菌が検出されるようになつた。
私ども3) は, 1968~1969年に臨床材料, とくに喀痰, 咽頭粘液からのインフルエンザ菌および他のHaemophilus属の検出率およびそれらHaemophilus属の常用化学療法剤感受性を報告したが, わが国においては, インフルエンザ菌, その他Haemophilus属の薬剤感受性に関する報告は少なない。今回私どもは, 1975年前半に各種臨床材料から分離したHaemophilus属の薬剤感受性を測定し, 感受性の現況とその推移を検討したので報告する。

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