1978 年 31 巻 11 号 p. 640-646
Ticarcillin (TIPC) は, 1964年, 英国ビーチャム社研究所で開発された注射用半合成Penicillinで, Carbenicillin (CBPC), Sulbenicillin (SBPC) と類似した構造をもつが, 緑膿菌に対する抗菌性が優れ, 一方, CBPC, SBPCに比較して, 注射時の血清中濃度がやや高く持続することが特徴とされているが, その他の抗菌力は, CBPC, SBPCにほぼ類似しているという1~3) 。
今回, 私たちはTIPCについての2, 3の基礎的研究と同時に, 多少の臨床的経験を得たので, その成績について報告する。