The Japanese Journal of Antibiotics
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児科領域におけるCefuroximeの使用経験
大沼 一夫飛鳥 徳久永田 紀四郎青山 隆蔵
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1979 年 32 巻 11 号 p. 1117-1121

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抄録

Cefuroximeは英国のGlaxo研究所で開発された新らしい注射用セファロスポリンC系の抗生物質で, 本剤の化学構造式は, 下記のとおり, 7位のAmino基に2-Mothoxyimino furylacetic acidを結合させることによつてβ-Lactamaseに対する安定性を高めることに成功した。これは, Methoxyimino基がβ-Lactam環のC-N結合に対するβ-Lactamaseの攻撃を立体的に阻害するためと考えられている。
本剤は, β-Lactamase産生菌に対して抗菌力を示し, E. coli, Klebsiellaのセファロスポリン耐性株やCitrobacter, Proteus, Enterobacterにも抗菌力を示す。また, 本剤はH.inflzuenzaeN. gonorrhoeaeに対しては, 在来のセプアロスポリン剤にくらべて特に強い抗菌力をもつといわれている1)。
我々は今回, 本剤を13例の小児疾患に使用する機会を得たので, その臨床成績を中心に報告する。

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