The Japanese Journal of Antibiotics
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各種尿路感染症に対するCefadroxilの使用経験
今林 健一大沼 徹太郎西村 洋介
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1979 年 32 巻 9 号 p. 861-870

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抄録

Cefadroxilは, 米国Bristol社で開発された半合成Cephalosporin系抗生物質で, その分子構造から生体内動態はCephalexinに類似し, ほとんど代謝されずに腎から高濃度で尿中に排泄される。 等量投与時の血清中濃度は, 最高値で後者より高く, 腎内濃度はほぼ同等であるが, 尿中排泄率はやや低いので, 血中濃度の持続時間が延長する点が特長とされている・その抗菌力も, Cephalexinに近く, Gram (+) 菌だけでなくGram (-) 菌にも殺菌的に作用するが, Proteus属の一部 (Pr.rettgeri, Pr.morganiiなど), Pseudomonas aeruginosaまたはSerratia marcescensなどには, 一般にあまり強い作用は示さないといわれている1)。
以上のことから, Cefadroxilは尿路感染症の大部分に有効な治療効果を挙げ得ると思われたので, 今回は各種の尿路感染症例に対する効果をOpen-trial方式によって検討したところ, 見るべき成績が得られたので報告する。

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