The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefroxadineの小児科領域における検討
岩井 直一佐々木 明種田 陽一猪熊 和代中村 はるひ
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1981 年 34 巻 12 号 p. 1663-1679

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抄録

Cefroxadine (CXD) はスイスCiba-Geigy社で開発された, セフェム環の3位にメトキシ基をもつ新らしい経ロセファロスポリン系抗生物質である。
本剤は, 従来の経ロセファロスポリン剤であるCephalexin (CEX), Cefradine (CED) と比較して, 抗菌スペグトラムは同じであるが, Streptococcus pneumoniae, EsCherichia coliに対しては多少抗菌力が優れており, またE. coli, Klebsiella pneumoniaeなどのグラム陰性桿菌にはきわめて強い殺菌, 溶菌作用をもつていることが特徴である。これらのことは, 細菌の増殖曲線に及ぼす影響, 50%菌発育阻止濃度 (ID50), Penicill binding proteins (PBP) に対する親和性, 形態学的観察, 動物感染実験での治療効果, によつて証明されており, 人での臨床効果に大きく反映されうるものと考えられる。
今回, 我々は本剤の小児科領域における基礎的, 臨床的検討をおこなつたので, その成績を報告する。

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