The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefnoxadineの吸収・排泄および臨床使用成績第1報
本廣 孝阪田 保隆藤本 保西山 亨中島 哲也石本 耕治富永 薫山下 文雄高城 信彦荒木 久昭塩月 由子竹中 伸一亀崎 健治吉永 陽三河野 信晴山本 正士小松 良治太田 正憲江藤 仁治師井 敏裕入来 典長 博雪岡田 象二郎木下 正教伊牟田 富佐恵古賀 龍夫
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1981 年 34 巻 12 号 p. 1703-1731

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抄録

近年Cephem系薬剤の開発はめざましいが, その経口剤としてはCephaloglycin (CEG), Cephalexin (CEX), Cefradine (CED), Cefatrizine (CFT) の4剤だけが市販されているに過ぎず, CEGはCEX, CED, CFTの出現によりほとんど使用されていない現状である。
1972年スイスCiba-Geigy社のR. SCARTAZZINIらによつて合成されたCefroxadine (CGP-9000, CXD) はFig. 1に示した構造式をもち, グラム陽性菌およびグラム陰性菌に広く抗菌活性を示す薬剤で, その抗菌力はCEX, CEDと同等か2倍程度強いがCFTより劣る5) といわれている。しかし殺菌作用はKlebsiella pneumoniaeおよびEscherichia coliでCEXおよびCEDに比較して強く, CFTに近い性質をもち, 感染防禦効果でも前述2菌でCEX, CEDよりも優れた治療効果があると述べられている。
本剤は既に1979年の第27回日本化学療法学会総会で新薬シンポジウムにとりあげられ, 成人での基礎的検討および臨床評価が論じられたが, 小児科領域での成績は未だ論じられていない。
そこで私たちはCXDを小児に投与し, その血清中および尿中濃度, 回収率を測定, 種々の細菌感染症における臨床効果で副作用について検討したので, その成績を報告する。

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