The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
緑膿菌による難治性慢性呼吸器感染症に対するTobramycinの点滴静注法の臨床的研究
平賀 洋明菊地 弘毅中橋 勝
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 34 巻 9 号 p. 1244-1254

詳細
抄録

近年, 抗生物質のめざましい進歩にともない, また, 長期投与, 乱用等による感染症の変貌により難治性慢性呼吸器痴患, 特に菌交代現象による緑膿菌を起炎菌とする難治性感染症が増加している。緑膿菌感染症の治療に有効な抗生物質はCabenicillin (CBPC) から始まるPenicillin (PC) 系もあるが, Gentamicin (GM), Tobramycin (TOB), Dibekacin (DKB) 等のAminoglycoside系抗生物質が現在最も有効である。しかし, これらAminoglycoside系抗生物質には耳毒性, 腎毒性の副作用が, 高い血中濃度の時に発現するといわれており投与方法に注意を要する。
今回, 我々はStreptomyces tenebrariusの培養液から単離により作られるAminoglycoside系抗生物質TOBについて, 緑膿菌による慢性呼吸器感染症を対象として点滴静注投与し臨床効果および安全性を検討したので報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top