1982 年 35 巻 10 号 p. 2323-2329
PiPeracillin (PIPC) は富山化学工業 (株) 綜合研究所で開発された注射用の新しい合成Penicillin剤で, Pseudomonas aemginosa, Klebsiella pneumoniae, Proteus属, semtiamamscens等に対し従来からのPenicillin剤に比べ優れた抗菌力を示し, すでに国内, 外で臨床に使用されている。本剤に関する基礎的, 臨床的な評価及び安全性の検討は第23回日本化学療法学会東日本支部総会における新薬シンポジウムにおいて報告されている。又, その詳細な成績は日本化学療法学会雑誌 (25巻, 5号, 1977) にまとめられている。
本剤に関する産婦人科感染症に対する検討は遠藤ら1), 松田ら2), 梅咲ら3), 張ら4), 浅井ら5), 青河ら6), 高瀬ら7)により報告されている。今回PIPC産婦人科研究会 (世話人, 高瀬善次郎博士) が組織され, 本剤の基礎的, 臨床的検討の機会に恵まれたので報告する。