1982 年 35 巻 6 号 p. 1493-1510
Cefmetazole (CMZ) は三共により開発されたβ-ラクタマーゼに強い抵抗性を示すセファマイシン系抗生物質1, 2) で, 第2世代のセファロスポリン系 (CEPs) 抗生物質とも呼ばれている. 本剤は幅広い抗菌スペクトルを有し, 細胞壁合成阻害作用により, 増殖期の菌に対し殺菌的に作用する. すでに, 内科, 外科, その他の領域においてCMZは優れた臨床効果を示すことが報告3) されている.
今回, 昭和56年2月から昭和56年9月まで各機関において, 本剤をStaphylococcus, streptococcusなどの化膿球菌性皮膚感染症に対して試用し, 本剤の有効性ならびに安全性を検討する機会を得たので報告する.