1985 年 38 巻 3 号 p. 737-742
Cefminox (CMNX, MT-141) は, 明治製菓中央研究所で開発された, 各種β-Lactamaseに安定な新注射用Cephamycin系抗生剤で, Entercoccus faecalis, Streptococcus viridans, Enterobacter, Citiobacter, Pseudomonas aeruginosa以外の好気性菌, 嫌気性菌に広い抗菌域を有し, 特にグラム陰性菌に対する抗菌力が優れ, 溶菌速度が早く, in vitroよりin vivoにおいて強い効果を示すと言われ, しかも血中濃度が高く, 半減期は2-2.5時間, 代謝されずに大部分尿中に排泄される1)。
本剤の基礎的研究及び成人領域での臨床的研究成績は, 第31回日本化学療法学会総会において新薬シンポジウムとして討議され, その有効性, 安全性が認められた。その結果小児についても検討の価値ありと考えられ, 幼若動物に対する安全性も確認されたので, 小児科領域研究会を組織し, 検討が進められた。われわれもその一員として若干の知見を得たので報告する。