The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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Cefminoxの小児科領域における使用経験
森田 英雄小倉 英郎尾崎 寛脇口 宏喜多村 勇倉光 誠三野 正博浜脇 光範小谷 信行久保西 栄永井 信也倉繁 隆信西林 洋平利根 洋一
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1985 年 38 巻 3 号 p. 773-783

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抄録
Cefminox (CMNX, MT-141) は明治製菓中央研究所において新たに合成されたセファマイシン系新抗生物質である。本剤の合成, 作用機序, in vitro, in vivoにおける抗菌作用についてはすでに報告がある1~7)。又, 本剤は1. 各種好気性及び嫌気性グラム陽性菌, グラム陰性菌 (緑膿菌を除く) に活性を示し広い抗菌スペクトルを有する, 2. グラム陰性菌に強い抗菌力を有し, 特に他のセファロスポリンと比較して, Bacteroides fragilis及びCampylobacter jejuniに優れた抗菌力を示す, 3. Escherichia coli, Klebsiella, Serratiaなどの菌に対し低濃度, 短時間の接触でも強く且つ速い溶菌, 殺菌作用を示す, 4. ヒトの血中半減期が約2時間半であり, 体内でほとんど代謝されることなく尿へ約90%排泄される, などの特長を持つている。本剤については, すでに成人での臨床評価が検討されている。しかし小児科領域における臨床評価は未だ検討されておらず報告がみられない。今回われわれはCMNXを各種小児感染症の治療に使用する機会を得たので報告する。
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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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