1986 年 39 巻 9 号 p. 2407-2420
Cefotiam (CTM) は1977年に武田薬品工業 (株) で開発された注射用Cephalosporin系抗生剤で, 従来の同系薬剤に比べ, Escherichia coli, Klebsiella, Haemophilus influenzae等のグラム陰性桿菌に対して優れた抗菌力を有している1)。成人及び乳児期以降の小児における本剤の有効性と安全性の検討はすでに行われ2, 3), 現在広く臨床に用いられているが, 新生児・未熟児では, その肝・腎機能の未熟性, 起炎菌の特殊性等の点から, 別個に検討する必要があると思われる。今回我々は, 新生児・未熟児を対象として, 本剤の抗菌力, 血中濃度, 尿中排泄等の基礎的検討, 及び臨床的検討を行う機会を得たので報告する。