1988 年 41 巻 3 号 p. 225-235
新生児に対するCeftriaxone (CTRX) 静注時の基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得ることができた。
1.10~20mg/kg静注時の血中濃度は8~12時間目までで14.9~32.8μg/mlに分布し, T1/2は8.2~24.8時間であった。
2.10~20mg/kg1時間点滴静注時の血中濃度は終了後11時間で10.6~25.0μg/ml。T1/2 は5.4~22.8時間であった。
3. 未熟児に連続静注を行つたが, 血中濃度に蓄積傾向はみられなかつた。
4.6時間目までの尿中排泄率は投与量の13.8~58.5%に分布していた。
5. 今回の治療の対象となった新生児症例は9例で敗血症 (疑), 肺炎, 表皮並びに黄色ブドウ球菌性疾患 (敗血症, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群, 肺炎) 並びに胎便吸引症候群等であったが, CTRX 1日19.5~41.6mg/kg, 4~11日間の使用によつて全例に著効並びに有効の結果が得られた。
6. 以上の使用によつて全身的副作用並びに血液検査の異常値, 肝・腎機能に及ぼす副作用はみられなかった。