The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefotetan静脈内投与後の血中濃度及び肺組織内濃度の推移についての検討
石川 正昭秋葉 直志川島 紀文荒瀬 憲朗桜井 健司
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1988 年 41 巻 3 号 p. 331-337

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抄録

開胸手術患者22例を対象に抗生物質Cefotetan (CTT) 1gをOne shotで静注投与し, 血中及び肺組織内濃度を経時的に測定し, 更に肺組織移行度を算出し, CTTの体内動態について検討を行った。
薬動力学解析の結果は次の通りである。
1. 血中濃度のT1/2(β)は4.18時間であり,AUC0~∞は478.7μg・hr/mlであった。
2. 肺組織におけるCmaxは31.5μg/g, Tmaxは0.83時間であり血中濃度とパラレルに減少することが示された。
このようにCTTは静脈内投与後, 肺組織内に高濃度に移行し, この濃度が長期間にわたり保たれることにより, 呼吸器感染症の予防及び治療に優れた効果を示すことが期待される抗生物質であるものと考えられた。

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