1988 年 41 巻 6 号 p. 696-711
小児用Rokitamycin(RKM)drysyrupを使用しての一連の検討を行い以下の成績をおさめることができた。
1. RKMは最近分離したStreptococcus pyogenesに対しJosamycin (JM), Midecamycin (MDM), Erythromycin, Lincomycinに比較して高度耐性株が少なかつた。又, 他種Macrolide系抗生物質耐性株に対し抗菌性であった。
2. 最近分離したStaphylococcus aureus, Streptocococcus agalactiae, G群 Streptococcus, Stapyogenes, Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeに対してMidecamyclnacetate, JMより強い抗菌力を示した。10-15mg/kg内服時血漿中濃度のPeakは30分値が多く0. 07-0. 77μg/ml, 6時間目には測定不能例が多くT1/2は1. 2-2. 6時間であった。6時間までの尿中排泄率は1. 26-1. 74%であった。
3. 急性上, 下気道感染症, カンピロバクター腸炎等を主体とした52例を治療し, 1日投与量約20~40mg/kg, 4-14日間の使用によって有効率は88. 5%であつた。
4. 患者から分離した7菌種43株の除菌率は81. 4%であつた。
5. 4-14日間の内服によつて肝, 腎機能, 一般血液検査に異常成績はみられなかつた。副作用は胃部不快感1例を認めただけであった。