The Japanese Journal of Antibiotics
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複雑性尿路感染症に対するCeftibutenの使用経験
水谷 修太郎西村 和郎吉村 一宏三好 進岩尾 典夫東本 順三塩田 憲三
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1990 年 43 巻 5 号 p. 779-789

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抄録

24例の複雑性尿路感染症に対して, 1日に0.4gのCeftibuten (以下CETBと略) を, 5日間, 朝夕食後に分2内服投与した。副作用のために投与を中止した症例は無かつた。不適格の1例を除いて, 単独感染群16例及び複数菌感染群7例のうち, 9例に著効, 6例に有効, そして8例に無効を認め, 65%の総合有効率を示した。膿尿に対しては23例中11例に消失, 3例に改善を認め, 残りの9例は不変であつた。
細菌尿に対しては14例が陰性化, 4例が菌交代, そして5例が不変であつた。分離した菌株のうち, Pseudomonas sp.を除いたグラム陰性菌の24株に対する本剤のMICを検討したところ, CETBはCefiximeやLomenoxacinよりも抗菌活性がやや劣る値であるが, Cefaclorよりも良好な値を得た。自覚的副作用は1例も認められなかつた。臨床検査値の異常変動としては, 1例にGOT, GPT並びにAl-Pの一過性の上昇を認め, 本剤と関連があるかもしれないと判断した

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