The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域感染症におけるFleroxacinの臨床的検討
松田 静治清水 哲也長 南薫佐藤 和雄水口 弘司八神 喜昭岡田 弘二平林 光司出口 浩一
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1991 年 44 巻 6 号 p. 625-634

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抄録

ニューキノロン系経口抗菌剤Fleroxacin (FLRX) の産婦人科領域感染症に対する臨床的検討を試みた。
1.総投与症例数は114例でうち105例について有効性の検討を行つた。疾患の内訳は, 子宮内感染38例, 子宮付属器炎28例, 外性器感染29例, その他 (腟断端炎, 腹壁膿瘍, 骨盤死腔炎, クラミジア子宮頸管炎, 産褥乳腺炎) 10例であった。投与量は200mg又は300mg1日1回とした。
2.有効率は子宮内感染37例/38例 (97.4%), 子宮付属器炎26例/28例 (92.9%), 外性器感染29例/29例 (100%) 及びその他10例/10例 (100%) であった。
3.分離菌別細菌学的効果は単独菌感染のグラム陽性菌23例/23例 (100%), グラム陰性菌11例/13例 (84.6%), 嫌気性菌8例/9例 (88.9%) であり, 複数菌感染では15例/19例 (78.9%) であった。
4.副作用は胃腸障害・下痢, 下痢各1例, 不眠2例が, 臨床検査値異常は好酸球増多, GOT・GPT上昇各1例がみられた。
以上の成績から, FLRXは産婦人科領域感染症に対して有用な薬剤と考えられた。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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