The Japanese Journal of Antibiotics
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婦人科領域におけるFlomoxefの基礎的, 臨床的検討
松田 静治平山 博章王 欣輝
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1991 年 44 巻 6 号 p. 669-673

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抄録

Flomoxefの基礎的, 臨床的検討を婦人科周産期領域において実施し以下の成績を得た。
1.周産期における母体血を中心に臍帯血中及び羊水中移行濃度を測定した所, 静注の4例, 及び30分点滴静注20例ではいずれの組織への移行も良好であつた。すなわち, 母体血移行は健康成人の成績と同様であり, 臍帯血中及び羊水中濃度のそれぞれ最高濃度は点滴静注時に12.0μg/ml, 12.05μg/mlであった。又, いずれの投与方法にても投与後2時間で羊水濃度が高い結果を得た。
2.臨床的には, 前期破水の感染予防例の1例を含む合計4例について検討したが, 産褥乳腺炎1例, 産褥子宮内感染2例はいずれも有効であった。
なお, 検討した4例では何ら副作用などの所見はみられなかった。
3.上記の基礎的, 臨床的検討から本剤は産婦人科周産期領域の感染症に1回1~2gを1日2回投与にて臨床効果が得られるものと考えられた。

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