The Japanese Journal of Antibiotics
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マクロライド系抗生物質2'-誘導体に対する大腸菌由来マクロライド2'-リン酸化酵素の反応機構
小原 康治
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1993 年 46 巻 9 号 p. 818-826

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抄録
マクロライド2'-リン酸化酵素MPH (2') のマクロライド系抗生物質2'-誘導体に対する反応機構を微生物検定法, 核磁気共鳴分光 (NMR) 法及びマススペクトロメトリーを用いて解析した。微生物検定法によつてトリアセチルOL,(TAO), エチルコハク酸エリスロマイシン (EME), エリスロマイシンエストレイトのようなマクロライド系抗生物質2'-誘導体はMPH (2') とATP で不活化されることが分かつた。マクロライド系抗生物質2'-誘導体に関するMPH (2') 反応解析に関してはATPよりも反応性の高い補酵素GTPを用いたNMR法を確立した。NMR法とマススペクトル解析によつて, TAOやEMEのC2'側鎖がリン酸緩衝液中で自然脱離し, その後C2'位がMPH (2') とGTPによりリン酸化されることが明かとなった。
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