1994 年 47 巻 12 号 p. 1685-1690
1992~1993年に千葉県市原市で分離したStreptococcus pneumoniae 48株の注射用β-ラクタム薬6剤に対する感受性を検討した。Benzylpenicillin (PCG) のMICが0.1μg/ml以上のものをペニシリン耐性S. pneumoniae (PRSP) と定義すると, 22株 (46%) がPRSPであった。PRSP ではPiperacillin, CefotaximeのMICがPCGのMICの上昇につれて上昇したが, Imipenem およびBiapenem (L-627) のカルバペネム薬はPCGのMICの上昇に伴うMICの上昇は軽度であった。
L-627が有効であったPRSPによる化膿性髄膜炎の1例を報告した。痙攣誘発作用がカルバペネム薬の中では最も弱いL-627は, 髄膜炎を含むPRSP感染症の治療薬の1つとなりうると思われた。