The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるBiapenem (L-627) の臨床的検討
春田 恒和黒木 茂一大倉 完悦仁紙 宏之西尾 利一小林 裕
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1994 年 47 巻 12 号 p. 1723-1727

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抄録

新しいカルバペネム系抗菌剤Biapenem (L-627) の小児科領域感染症に対する有効性及び安全性を検討し以Fの成績を得た。
1. 肺炎2例, 化膿性リンパ節炎, 伝染性膿痂疹, 蜂巣炎, 尿路感染症各1例の計6例に1日16.2-37.2mg/kgで, 1日3回, 5-7日間点滴静脈内投与した結果, 本剤の臨床効果は, 著効4例, 有効2例であり, 全例有効以上の効果を示した。細菌学的効果は, 検出された3株全株が消失した。
2. 安全性では, 副作用は発疹が1例に, 臨床検査値の異常変動として, 一過性の白血球数の軽度減少, GOT, GPTの軽度上昇が各1例に認められた。
3. 以上の成績より, L-627は小児科領域感染症に有用な薬剤であると考えられた。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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