抄録
SY5555の小児細菌性感染症に対する細菌学的, 臨床的検討を行い, 下記の成績を得た。
臨床的検討は咽頭炎4例, 化膿性扁桃炎10例, 狸紅熱4例, 伝染性膿痂疹8例, 亀頭炎1例, 蜂巣炎1例, 尿路感染症4例, 計32例について行った。SY5555は1回体重kgあたり3.3~10.0mg1日3回食後に投与した。評価可能であった31例における臨床効果は著効16例 (51.6%), 有効14例 (45.2%), やや有効1例で有効率は96.8%であった。
細菌学的効果はStaphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenes, Enteroceccus faecalis, Haemophilus influenzae, Escherichia coli, Citrobacter freundiiなど計21株中, 消失17株 (消失率81.0%), 菌減少3株, 不変1株であった。
副作用としては軟便1例で, 投与を中止することなく治療できた。臨床検査値異常は好酸球増多2例, 好酸球増多・GOT上昇・GPT上昇1例, 血小板増多1例であった。