抄録
臨床材料より分離されたHelicobacter pyloriに対する種々のβ-ラクタム薬, マクロライド薬, ニューキノロン薬, アミノグリコシド薬, テトラサイクリン薬, クロラムフェニコール, リファンピシン計16薬剤のMICを求めた。その結果, 各種β-ラクタム薬に対する感受性は良好であった。その中でもCTM, CAZは比較的幅広いMIC分布を示した。マクロライド薬については, 16員環化合物が14員環化合物に比べ抗菌力は劣る結果となった。ニューキノロン薬については, その感受性分布は2峰性を示し, すでに耐性を獲得しつつある傾向がみられた。また, アミカシンとクロラムフェニコール, アミカシンとニューキノロン薬間には両薬剤に対して耐性を示す株が見られた。今回検討した24株のうち, 3株から遺伝的性状の不明なplasmid, いわゆるcryptic plasmidが確認された。H.pyloriも種々の臨床分離細菌同様, 薬剤耐性遺伝子がplasmidに組み込まれ広がっていくことが危惧されることから, 今後除菌療法を行っていく上で抗菌薬感受性動向についても注意深い観察が必要と考えられた。